怪盗ベルにおまかせ!
などなど。


わたしたちも、ただ闇雲に選んでいるわけではない。


「ねえちゃん。これなんてどう?」


隠し部屋にこもっていた悠が、学校帰りのわたしを呼ぶ。


悠は、人付き合いが苦手なため学校には行かず、自分のパソコンで勉強をしている。

隠し部屋を見つけてからは、日中お母さんの目を盗んではここに出入りしている。


パソコンがいじるのが趣味だから、新しい依頼の書き込みにもすぐに気がつく。


隠し部屋にきたわたしに、悠はパソコン画面を指さす。

どうやらその書き込みは、このサイトの管理人のようだった。


【もしこれを怪盗ベルが読んでくれているのなら…。
私の家の愛犬が、数日前からいなくなってしまいました。
庭で遊ばせていたらいなくなりました。
門が開いていたので、もしかしたら勝手に外へ行ったのかもしれません。
もともと保護犬だったのを我が家に迎え入れた、大切な家族です。
探してください。お願いします】
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