怪盗ベルにおまかせ!
調べてみると、安くても100万ほどで売られている。

過去には、数億もの値がついたものもいたんだとか。


悠いわく、どういう経緯で保護犬になったのかはわからないけど、レアな犬だとだれにも気づかれることなく今の飼い主に引き取られたのではないかと。


「チベタンマスティフは大型犬。写真を見るには、これはまだ子犬だ。つまり、売れば相当な金額になるはず」

「…ということは」


わたしはつばを呑む。


「もしかしたら、これはただの犬の脱走なんかじゃなく、チベタンマスティフと知った何者かに盗まれた可能性がある」


――何気ない書き込み。

それがまさか、そんな大事に発展するかもしれないなんて…!


「悪いやつらから大事なペットを取り返す――。困っているこの飼い主のためにも、怪盗ベルの出番だと思わない?」
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