怪盗ベルにおまかせ!
ニヤリと口角を上げる悠。

そんな悠にわたしも微笑む。


「そうだね。飼い主の人もいつか戻ってきてくれるはずって、ずっと祈っているかもしれないし」


盗まれたかもしれないなんて、夢にも思っていないだろうから。


それに、書き込みの住所は偶然にもこの町だった。

ちょうど仕事もしやすい。


「それじゃあ、オレは今からいろいろと下調べするから。決行は、明日の夜ってことで」

「わかった!」


悠は、街中にある防犯カメラやSNSから情報収集をして、サイトの書き込みの信憑性を調べる。


そして、怪盗ベルの仕事をこなすシナリオを頭の中で考える。

それを本番でわたしに指示し、わたしはその通りに動くのだ。



次の日。

学校へ行くと、芹那ちゃんが自分の席に座っているのが目に入った。


この数日、芹那ちゃんは学校を休んでいた。
< 40 / 181 >

この作品をシェア

pagetop