怪盗ベルにおまかせ!
「あれ、全然変装になってないから!」

「…えっ。そ…、そう?」

「そうだよ!鈴ちゃんのこと知ってる人と出会ったら、すぐにわかっちゃうよ!」


これまでがたまたま運よくこなせてただけで、やっぱり…変装はできていない?


「怪盗なんだから、ちゃんと変装しないと〜」

「…でも、家にある変装用のマスクはわたしには大きくて合わなくて」

「そういうことなら…♪」


芹那ちゃんは、にんまりと笑う。


その日の学校帰り。


「うわ〜、すごい部屋!…あっ。やほ〜!悠くん、久しぶり〜!」

「…わっ!!…えっ、芹那ちゃん…!?」


驚いて、イスから落ちそうになる悠。


それもそのはず。

わたしが家の隠し部屋に芹那ちゃんを連れてきたのだから。


この時間は、お母さんはパートで家にいなかった。


「ねえちゃん…どういうこと!?なんで芹那ちゃんがここに…!?」
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