怪盗ベルにおまかせ!
わたしと悠の声が重なる。


「そうそう、もっと危機感持って!」


芹那ちゃんは、持ってきたバッグの中をなにやらごそごそとあさっている。

学校帰りに、先に芹那ちゃんの家に寄って持ってきたものだ。


「だから、鈴ちゃんの幼なじみ兼怪盗ベルのファンとして、変装についてはあたしにまかせて♪」


そう言って、芹那ちゃんは自信満々の笑みで答えた。


それから30分後。


「…うわぁ〜!」


わたしの口から思わず、驚きと感激が混ざったような声がもれた。

手鏡の中に映るのは、自分じゃないみたいな…自分。


そう。

芹那ちゃんは、わたしの長い髪をまるでうさぎの耳のように高い位置でツインテールにして結び、メガネを外してほんのりとメイクもしてくれた。


「どう!?鈴ちゃんはもとがいいんだから、メイクとかヘアアレンジだけでガラッと雰囲気が変わるでしょ?」
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