怪盗ベルにおまかせ!
光井くんは立ち上がると、周りを囲んでいたクラスメイトたちにゆっくりと目を向ける。
「みんな、よく考えてみなよ。怪盗ベルは『泥棒』だよ?」
「…そんなことないよ!ベルは悪い人たちに取られたものを取り返してくれるんだからっ」
「そうだったとしても、やってることは泥棒と変わりないよ」
その言葉に、わたしの胸がズキンと痛む。
わたしは、よかれと思って怪盗ベルをやっていた。
自分たちじゃどうしようもないトラブルを、わたしが代わって解決して。
悪い人たちから取り返したものが戻ってきたときのもとの持ち主さんたちの顔を見たら、やってよかったなと思っていた。
だけど、それが――『泥棒』だなんて。
…これまで考えたこともなかった。
「みんな、よく考えてみなよ。怪盗ベルは『泥棒』だよ?」
「…そんなことないよ!ベルは悪い人たちに取られたものを取り返してくれるんだからっ」
「そうだったとしても、やってることは泥棒と変わりないよ」
その言葉に、わたしの胸がズキンと痛む。
わたしは、よかれと思って怪盗ベルをやっていた。
自分たちじゃどうしようもないトラブルを、わたしが代わって解決して。
悪い人たちから取り返したものが戻ってきたときのもとの持ち主さんたちの顔を見たら、やってよかったなと思っていた。
だけど、それが――『泥棒』だなんて。
…これまで考えたこともなかった。