怪盗ベルにおまかせ!
そのおかげで、いつもの怪盗ベルに仕上がった。


「鈴ちゃん!校長先生のためにもお願いね…!」

「うん、任せて。でも、普段ベルは夜にしか行動しないから、こんな真っ昼間に動いても大丈夫かな…」

「大丈夫だよ!顔を見られたって、あたしのメイク術なら鈴ちゃんだってわからないから!」


芹那ちゃんは、そう言ってウインクする。


そうだよね。

今は、黒縁メガネをかけた地味子の日暮鈴じゃなくて、怪盗ベルなんだから。


でも、わたしにはもう1つ心配事が。


「そういえば、そろそろミックスリレーが――」


そのときちょうど、グラウンド内にアナウンスが流れる。


〈ミックスリレーに参加する5年生のみなさんは、入場門まで集まってください〉


物陰から顔をのぞかせると、入場門に向かって歩く5年生の姿が。
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