君に恋した、忘れられない夏
「昴、今日も学校だったの?大変だね」


「うん。頭がパンクしそうだよ」




優しく目を細める昴に、気づいたら抱きついていた。




「陽葵…?」


「…よね?」


「え?」


「昴は、ちゃんとここにいるよね?」




朝起きて、いつも怖かった。


昴に会えたことが全部夢だったらどうしよう。朝起きたら昴がいなくなっていたらどうしよう。



一度離れ離れになったことが私の中で強くて大きくて、考えないようにしていても不安が取れなかった。




「…いるよ。俺はちゃんとここにいる」




昴にぎゅっと強く抱きしめられ、その力の強さが昴がちゃんとここにいるんだと教えてくれる。




「陽葵、明日お祭りがあるんだよ」


「お祭り…?」




抱きしめられていた胸から顔を上げると、にこっと優しく微笑む昴と目が合った。
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