君に恋した、忘れられない夏
月城商店、と壊れかかった看板と、おばあちゃんが書いてくれた地図を見比べる。


お店はシャッターが閉められていて、しばらく休みます、という貼り紙が貼ってあった。




「あの…うちに何か用ですか…?」




どこからか声をかけて入れるところはないかと探していると、後ろから小柄なボブの女の人に声をかけられた。




「え、あ、あの、私…」


「…もしかして、陽葵ちゃん?」


「え…?あ、はい…」


「やっぱり。晴子(はるこ)さんのお孫さんよね。ツインテールの女の子って聞いてたから、もしかして、って思ったのよ」




おばあちゃんの名前を知っているということは、やっぱりこの人が昴のお母さんだ。




「あの、昴のこと、聞いて…」


「…そっか。昔、昴と仲良くしたくれていたものね。あの子に、お線香上げてあげて」




昴のお母さんに二階の自宅に上げてもらい、昴の写真が飾ってある仏壇に案内された。


写真の中の昴は、私の大好きな目を細める笑顔を浮かべて制服で写っていた。



この笑顔も、制服も、この目で直接見たのに。どうして。
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