君に恋した、忘れられない夏
それを合図に、あの日と同じように次々と流れ星が上から降ってくる。



ねえ、昴。昴がいなくなってから、毎年夏にはここに来て昴を待ってるんだよ。


今ではこの町に住んで夏以外も来るようになった。


嬉しいこと、楽しいこと、辛いこと、悲しいこと、ムカついたこと。


昴に話したいことがあるといつもここに来て、いつも昴のことを考えてるんだ。


早く昴と話したい。私の人生は昴中心なんだよって言ったら、君は笑うかな。



昴のことが今でも大好きだから、彼氏すらできてないよ。もう三十歳過ぎてるからお母さんがうるさいんだけどね。


昴、責任取ってくれるって言ったよね?


昴が早く会いに来てくれないと、私は一生独身だよ。そうなったら昴のこと恨むからね?



…ねえ、昴。




「会いたい…」




綺麗な流星群が、涙でぼやける。


昴を想って待ち続けることは苦じゃない。…だけど、生まれ変わった昴と会えるなんてそんな奇跡、ないのかもしれない。


わかっている。過去は過去。過去にいつまでも縛られていないで、前を向いた方がいいんじゃないのか。



…だけど、私は昴との約束をずっと忘れることができない。昴を忘れるくらいなら、昴をこの先も想い続けたい。
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