ゴーストと呼ばれた地味な令嬢は逆行して悪女となって派手に返り咲く〜クロエは振り子を二度揺らす〜
41 宣戦布告です!
「うわぁ~っ! お異母姉様のお部屋、素敵!」
新しい家族と挨拶が終わって、クロエが自室に戻って刺繍をしていると、矢庭にどたどたと激しい足音が聞こえて来た。
なにごとかと顔を上げた折も折、ノックもなしに勢いよく彼女の部屋の扉が開いて、きらきらと子供のように瞳を輝かせた異母妹が踊るように入室してきたのだ。
(来たわね……)
クロエは敢えてコートニーを放置する。
すると異母妹は、逆行前と同じく、異母姉の存在など歯牙にもかけずにうきうきと部屋中を見て回っていた。興味深げに調度品を眺めたり、更には勝手にクローゼットを開けたりしていた。
「こら、コートニー。はしたないですよ」
少しして、前回の状況と同じく、父親と継母が仲良く手繋ぎをしてやって来た。
「えぇ~っ! だって、お姫様みたいな素敵なお部屋なんだもん! あたし、こっちの部屋にするわ!」と、コートニーはまるで自身の部屋のようにとんとソファーに腰掛る。
「コートニー……ここはお姉さまの部屋なんだぞ。お前にもお姫様のような可愛らしい部屋があるじゃないか。パリステラ侯爵家の令嬢の部屋なんて王宮の次に豪華なのだよ」
「あんなの嫌! だって、こっちのほうが広いし、素敵だわ! ね、お父様、お願い?」
「ここはクロエの部屋だからさすがにあげられないよ。今回は我慢してくれ。な?」
新しい家族と挨拶が終わって、クロエが自室に戻って刺繍をしていると、矢庭にどたどたと激しい足音が聞こえて来た。
なにごとかと顔を上げた折も折、ノックもなしに勢いよく彼女の部屋の扉が開いて、きらきらと子供のように瞳を輝かせた異母妹が踊るように入室してきたのだ。
(来たわね……)
クロエは敢えてコートニーを放置する。
すると異母妹は、逆行前と同じく、異母姉の存在など歯牙にもかけずにうきうきと部屋中を見て回っていた。興味深げに調度品を眺めたり、更には勝手にクローゼットを開けたりしていた。
「こら、コートニー。はしたないですよ」
少しして、前回の状況と同じく、父親と継母が仲良く手繋ぎをしてやって来た。
「えぇ~っ! だって、お姫様みたいな素敵なお部屋なんだもん! あたし、こっちの部屋にするわ!」と、コートニーはまるで自身の部屋のようにとんとソファーに腰掛る。
「コートニー……ここはお姉さまの部屋なんだぞ。お前にもお姫様のような可愛らしい部屋があるじゃないか。パリステラ侯爵家の令嬢の部屋なんて王宮の次に豪華なのだよ」
「あんなの嫌! だって、こっちのほうが広いし、素敵だわ! ね、お父様、お願い?」
「ここはクロエの部屋だからさすがにあげられないよ。今回は我慢してくれ。な?」