ゴーストと呼ばれた地味な令嬢は逆行して悪女となって派手に返り咲く〜クロエは振り子を二度揺らす〜
43 ネックレスはあげました!
ある日、クロエが晩餐のためダイニングルームへ足を運ぶと、
「なっ……なぜ、コートニーがそれを…………!?」
クロエは目を剥いた……振りをした。
異母妹の胸元には彼女が婚約者から贈られたネックレスが飾られていた。それは去年の彼女の誕生日に贈られたもので、ピンクダイヤがきらりと輝く小さなリボン型の、大切なネックレスだった。
(そろそろ来る頃だと思っていたわ)
コートニーはにこにこと笑って、
「これ? 可愛いでしょう? あたしにピッタリだと思うの」
「えぇ、とってもお似合いね。可愛いわ」クロエはふっと微笑む。「……でもね、それは私のものなのよ」
「えぇ~っ! だって、あたしのほうが似合うんだもの。地味なお顔立ちのお異母姉様には勿体無いわ」
「えぇ、本当に。美人な異母妹のほうがとっても良く似合うわね」とクリス。
「まぁ……」と、クロエは困ったように眉尻を下げて押し黙った。
母娘は勝ち誇ったように、ニヤニヤと彼女を見つめている。早くもクロエの持ち物を奪う作戦に出たようだ。
(逆行前は上手く行ったけど、今回はどうかしら?)
「なっ……なぜ、コートニーがそれを…………!?」
クロエは目を剥いた……振りをした。
異母妹の胸元には彼女が婚約者から贈られたネックレスが飾られていた。それは去年の彼女の誕生日に贈られたもので、ピンクダイヤがきらりと輝く小さなリボン型の、大切なネックレスだった。
(そろそろ来る頃だと思っていたわ)
コートニーはにこにこと笑って、
「これ? 可愛いでしょう? あたしにピッタリだと思うの」
「えぇ、とってもお似合いね。可愛いわ」クロエはふっと微笑む。「……でもね、それは私のものなのよ」
「えぇ~っ! だって、あたしのほうが似合うんだもの。地味なお顔立ちのお異母姉様には勿体無いわ」
「えぇ、本当に。美人な異母妹のほうがとっても良く似合うわね」とクリス。
「まぁ……」と、クロエは困ったように眉尻を下げて押し黙った。
母娘は勝ち誇ったように、ニヤニヤと彼女を見つめている。早くもクロエの持ち物を奪う作戦に出たようだ。
(逆行前は上手く行ったけど、今回はどうかしら?)