ゴーストと呼ばれた地味な令嬢は逆行して悪女となって派手に返り咲く〜クロエは振り子を二度揺らす〜


(なんで、あたしが悪く言われないといけないの!)

 コートニーもぷりぷりと怒っていた。
 異母姉とその婚約者の仲を引き剥がすための、計画の一部だったのに。
 なんで、あの女の株が上がるわけ!?


 ロバートは改めてクロエの優しさと器の大きさに感激していた。
 同時に、今まで、いつまでたっても魔法が使えないからと無関心でいたことを悔やんでいた。自分は、なんて愚かな真似をしたのだろうか。
 そして、前妻の高い魔力や娘への素晴らしい教育に感謝した。罪滅ぼしにならないかもしれないが、せめてこれからはクロエのことを大切にしようと……そう誓ったのだった。


(さてと……あとは仕上げね)

 クロエは、ちゃっかりと要らないネックレスは異母妹に押し付けた。



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