ゴーストと呼ばれた地味な令嬢は逆行して悪女となって派手に返り咲く〜クロエは振り子を二度揺らす〜
(うわぁ~っ! イイ男がいっぱ~い。スコット様より素敵な人がいればいいけどなぁ……)
コートニーはちらりとスコットを見やる。端整な顔だち、高い身分、王太子の側近という将来を約束された立場……それは、彼女にとって理想そのものだった。
本音を言うと王太子が良かった。自分にはそれくらいの男が相応しい。
でも、王太子と公爵令嬢の結婚はもう絶対的で、いくらパリステラ家としても動かしようがなかった。
だから、最低でもスコット以上。
少なくとも、あの虫酸が走る異母姉よりも上の男を捕まえないことには、溜飲が下がらない。あんな女狐なんかに、負けたくない。
(……ま、あたしに釣り合うイイ男がいなかったら、スコット様をいただくんだけどね)