ゴーストと呼ばれた地味な令嬢は逆行して悪女となって派手に返り咲く〜クロエは振り子を二度揺らす〜
50 三人で仲良くお茶会です!④
パリステラ姉妹の三文芝居が終わったあとは、賑やかなお茶会の再開だ。
貴族の子息たちは、姉妹の感動劇の話題もそこそこに、いつも通りの交流の時間が始まった。
なんと言っても今日は未来の王太子妃である公爵令嬢のお茶会なのだ。若い貴族たちは輝かしい将来へ繋がる人脈を築くために、それぞれの目的の人物との接触に勤しんだのだった。
クロエは華やかな場の秩序を乱したことを、公爵令嬢に平身低頭で謝罪をした。
公爵令嬢は「気にしなくていいわよ」と笑って許してくれたが、これは大きな借りができたなと苦い思いをした。
馬鹿な異母妹のせいで、とんだ失態だ。
彼女にとって、コートニーの淑女教育なんてどうでも良かったが、今後もこのようなトラブルを巻き起こして他の家門へ迷惑をかけるようでは、自身の評価にまで影響を及ぼすかもしれない。
だから、せめて最低限のマナーは覚えてもらわないと困る。
(逆行前はあの様でよく社交界でやっていけたわね……)
それは、おそらく魔法のお陰だろう。
魔力は貴族の強さの象徴だ。異母妹はそれが他に類を見ない才能を持つからこそ、許されたのだ。
(ま、今回はそうは行かないけどね……)
コートニーは今も魔法が使えていない。
対して自分は聖女。この事実は大きな影響力を及ぼすはずだ。
実際、父親は逆行前のようにクリスとコートニーを、過剰に甘やかしてはいないようだ。今日の事件を報告すれば、母娘への縛り付けはもっと強くなるだろう。
となれば、あの継母のことだからなにか手を打ってくるはず。
自分はその上を行って、二人を叩きのめすだけだ。
貴族の子息たちは、姉妹の感動劇の話題もそこそこに、いつも通りの交流の時間が始まった。
なんと言っても今日は未来の王太子妃である公爵令嬢のお茶会なのだ。若い貴族たちは輝かしい将来へ繋がる人脈を築くために、それぞれの目的の人物との接触に勤しんだのだった。
クロエは華やかな場の秩序を乱したことを、公爵令嬢に平身低頭で謝罪をした。
公爵令嬢は「気にしなくていいわよ」と笑って許してくれたが、これは大きな借りができたなと苦い思いをした。
馬鹿な異母妹のせいで、とんだ失態だ。
彼女にとって、コートニーの淑女教育なんてどうでも良かったが、今後もこのようなトラブルを巻き起こして他の家門へ迷惑をかけるようでは、自身の評価にまで影響を及ぼすかもしれない。
だから、せめて最低限のマナーは覚えてもらわないと困る。
(逆行前はあの様でよく社交界でやっていけたわね……)
それは、おそらく魔法のお陰だろう。
魔力は貴族の強さの象徴だ。異母妹はそれが他に類を見ない才能を持つからこそ、許されたのだ。
(ま、今回はそうは行かないけどね……)
コートニーは今も魔法が使えていない。
対して自分は聖女。この事実は大きな影響力を及ぼすはずだ。
実際、父親は逆行前のようにクリスとコートニーを、過剰に甘やかしてはいないようだ。今日の事件を報告すれば、母娘への縛り付けはもっと強くなるだろう。
となれば、あの継母のことだからなにか手を打ってくるはず。
自分はその上を行って、二人を叩きのめすだけだ。