ゴーストと呼ばれた地味な令嬢は逆行して悪女となって派手に返り咲く〜クロエは振り子を二度揺らす〜


「うわぁ~! さすがお異母姉様! いろんな殿方から人気なのねぇ~! 婚約者がいるのにぃ~!」

 すかさずコートニーが口撃を始める。彼女はスコットの後ろからさっと出て来て、ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべながら、皮肉を放って来た。

「……あなたも、私の婚約者と二人きりでいたのね」

 冷めた声音でクロエが返すが、彼女は我が意を得たりと内心ほくそ笑む。
 計画は順調のようだ。

 彼女は、異母妹が婚約者に近付きやすいような隙のある行動を取っていた。
 そして異母妹のほうも、他に目ぼしい婚約者候補が見つからなかったからか、スコットを落として異母姉から奪うように画策していたのだ。
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