ゴーストと呼ばれた地味な令嬢は逆行して悪女となって派手に返り咲く〜クロエは振り子を二度揺らす〜
「もちろん出るわ! もう出場届けも出しているの。必ずあたしが優勝してみせるっ!!」と、コートニーは意気込む。
「あなたなら優勝間違いなしだわ」とクリス。
「祝宴は盛大に開かなければな」とロバート。
「そう、あなたも出場するのね」
クロエの言葉に三人とも目を見張る。
聞き間違いでなければ、今、姉は「も」と言っていたが……。
彼女はにっこりと微笑んで、
「実は私も出場することにしたの。お互いに精一杯頑張りましょうね、コートニー」
一拍して、
「「「えぇっ!?」」」
三人の驚きの声が同時に鳴り響いた。
「出場って……お異母姉様も出るんですかぁ!?」
「えぇ、そうよ」
「あ、あなた……聖女じゃないの? 戦えるの?」
「そう呼ばれていますが……一応は回復以外の基礎魔法も使えますので。自分の実力を試してみたくて」
「おぉ! クロエも出場するのか! これは一位二位は姉妹で独占だな!」
「そうなれば良いのですが。コートニーの足を引っ張らないように努めますわ」