ゴーストと呼ばれた地味な令嬢は逆行して悪女となって派手に返り咲く〜クロエは振り子を二度揺らす〜
66 不正発覚です!
やがて、混濁した土煙は晴れる。
会場内は再び静寂に包まれて、観客たちはこの決定的な瞬間を見逃すまいと息を押し殺して見守っていた。
一方は、聖女。すっと背筋を正して、しなやかに立っていた。客席から安堵の声が漏れる。
そして、彼女の前には、異母妹が――、
うつ伏せになって倒れていた。
「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおっっっ!!」」」」」
割れんばかりの拍手と歓声。それは会場を飛び出して、王都を揺らした。
しばらくのあいだ耳を澄ましてから、審判が大声を上げる。
「勝者、クロエ・パリステ――」
「なんてことなのっ!!」
そのとき、自分のための勝利宣言を遮ってクロエが叫んだ。
誰もが目を丸くして、ぴたりと動きを止める。
「コートニー、これは……魔石じゃないっ!! なぜ、ルールで禁止されている魔石をあなたが持っているのっ!?」
聖女の悲鳴のような声に驚いて、会場中が敗者であるコートニーを見る。
すると、彼女の周囲には、真っ赤な宝石のようなものが散らばっていた。それは大小さまざまな大きさで、太陽の光を反射するように、ぎらぎらと輝いていた。
会場内は再び静寂に包まれて、観客たちはこの決定的な瞬間を見逃すまいと息を押し殺して見守っていた。
一方は、聖女。すっと背筋を正して、しなやかに立っていた。客席から安堵の声が漏れる。
そして、彼女の前には、異母妹が――、
うつ伏せになって倒れていた。
「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおっっっ!!」」」」」
割れんばかりの拍手と歓声。それは会場を飛び出して、王都を揺らした。
しばらくのあいだ耳を澄ましてから、審判が大声を上げる。
「勝者、クロエ・パリステ――」
「なんてことなのっ!!」
そのとき、自分のための勝利宣言を遮ってクロエが叫んだ。
誰もが目を丸くして、ぴたりと動きを止める。
「コートニー、これは……魔石じゃないっ!! なぜ、ルールで禁止されている魔石をあなたが持っているのっ!?」
聖女の悲鳴のような声に驚いて、会場中が敗者であるコートニーを見る。
すると、彼女の周囲には、真っ赤な宝石のようなものが散らばっていた。それは大小さまざまな大きさで、太陽の光を反射するように、ぎらぎらと輝いていた。