ゴーストと呼ばれた地味な令嬢は逆行して悪女となって派手に返り咲く〜クロエは振り子を二度揺らす〜
68 魔法大会の結末です!
「おめでとう、クロエ」
クロエがコートニーを破った瞬間、客席からユリウスがするりと降りてきて、一番に祝福の言葉を伝えた。
「ありがとう、ユリウス」
クロエはにっこりと微笑む。とても晴れやかな気分だった。本当に、今日の雲ひとつない鮮やかな青い空のよう。
逆行前は魔法が使えないせいで、コートニーから酷い仕打ちを受けていた。
あの頃は、どれだけ魔法という存在を呪っただろうか。どれだけ魔法という形のないものに憧れただろうか。
いつか、魔法で異母妹に勝ちたいと願っていた。
ついに、それが叶う日がやって来て、とても嬉しい。逆行前の自分の努力は間違っていなかったのだ。
……これで、母の名誉も回復できただろうか。
「毒に侵されそうになったときは、どうなることかと心配したよ。君が無事で本当に良かった」
「私も驚いたわ。まさか、あんな手を使ってくるなんて……」
レイン伯爵令息も継母たちの毒薬も、禁止されている闇魔法だった。
こんな場でよくも堂々と使えたものだと感心さえ覚えた。継母も異母妹も、それほどに自分のことが憎いのだろう。
彼女たちとは、きっと何度時間を巻き戻しても、絶対に分かり合えないのだと思った。
「あぁ……。しかし、お陰で大規模な闇魔法の組織を掴めそうだ。彼らの存在は帝国でも問題視されていたんだ。これで芋づる式に検挙できそうだ」
「それは良かったわ」
クロエがコートニーを破った瞬間、客席からユリウスがするりと降りてきて、一番に祝福の言葉を伝えた。
「ありがとう、ユリウス」
クロエはにっこりと微笑む。とても晴れやかな気分だった。本当に、今日の雲ひとつない鮮やかな青い空のよう。
逆行前は魔法が使えないせいで、コートニーから酷い仕打ちを受けていた。
あの頃は、どれだけ魔法という存在を呪っただろうか。どれだけ魔法という形のないものに憧れただろうか。
いつか、魔法で異母妹に勝ちたいと願っていた。
ついに、それが叶う日がやって来て、とても嬉しい。逆行前の自分の努力は間違っていなかったのだ。
……これで、母の名誉も回復できただろうか。
「毒に侵されそうになったときは、どうなることかと心配したよ。君が無事で本当に良かった」
「私も驚いたわ。まさか、あんな手を使ってくるなんて……」
レイン伯爵令息も継母たちの毒薬も、禁止されている闇魔法だった。
こんな場でよくも堂々と使えたものだと感心さえ覚えた。継母も異母妹も、それほどに自分のことが憎いのだろう。
彼女たちとは、きっと何度時間を巻き戻しても、絶対に分かり合えないのだと思った。
「あぁ……。しかし、お陰で大規模な闇魔法の組織を掴めそうだ。彼らの存在は帝国でも問題視されていたんだ。これで芋づる式に検挙できそうだ」
「それは良かったわ」