ゴーストと呼ばれた地味な令嬢は逆行して悪女となって派手に返り咲く〜クロエは振り子を二度揺らす〜
72 最後のパーティーが始まりました!
窓の外から、令嬢たちの楽しげな声が聞こえる。
分厚いカーテンによって隔絶された薄暗い部屋で、コートニーは恨みがましくその声を聞いていた。
じめじめした陰気臭い空間とは打って変わって、部屋の外はからっと晴れ渡る気持ちの良い天気だった。
今日はクロエ主催のお茶会だ。
中庭の会場では、朝からパリステラ家の使用人たちが総出で準備に取り掛かっていた。
当主であるロバートの命令だ。
彼は、コートニーのせいで失った信用を取り戻そうと躍起になっていた。
幸いにして、クロエに対する人望はまだ残っている。それどころか、今回の事件で彼女に対しては同情的な意見が多い。
彼はそれを利用して、貴族たちの支持を得ようと考えていた。
不幸にも、あの忌々しい事件のせいで王家と溝ができてしまった。それを埋めることは困難だろう。
しかし、貴族間の派閥を強化すればパリステラ家の威光は保て、少しくらい王家から冷遇されても問題ないはず。そのためにも、聖女であるクロエは、家門の広告塔になってもらいたい。
彼自身も、最近は仕事の合間を縫って、貴族たちの集まりに積極的に参加をしていたのだった。
分厚いカーテンによって隔絶された薄暗い部屋で、コートニーは恨みがましくその声を聞いていた。
じめじめした陰気臭い空間とは打って変わって、部屋の外はからっと晴れ渡る気持ちの良い天気だった。
今日はクロエ主催のお茶会だ。
中庭の会場では、朝からパリステラ家の使用人たちが総出で準備に取り掛かっていた。
当主であるロバートの命令だ。
彼は、コートニーのせいで失った信用を取り戻そうと躍起になっていた。
幸いにして、クロエに対する人望はまだ残っている。それどころか、今回の事件で彼女に対しては同情的な意見が多い。
彼はそれを利用して、貴族たちの支持を得ようと考えていた。
不幸にも、あの忌々しい事件のせいで王家と溝ができてしまった。それを埋めることは困難だろう。
しかし、貴族間の派閥を強化すればパリステラ家の威光は保て、少しくらい王家から冷遇されても問題ないはず。そのためにも、聖女であるクロエは、家門の広告塔になってもらいたい。
彼自身も、最近は仕事の合間を縫って、貴族たちの集まりに積極的に参加をしていたのだった。