ゴーストと呼ばれた地味な令嬢は逆行して悪女となって派手に返り咲く〜クロエは振り子を二度揺らす〜

15 異母妹の企みなんて知りませんでした

 魔法が使えない。スコットと会えない。
 クロエの悩みは泥沼に踏み込んだように、どろどろと深みに嵌っていっていた。

 いくら特訓をしても一雫の魔力でさえ発することができず、いくらスコットに手紙を書いても返事が来ることはなかった。
 彼女の側には唯一信頼していたマリアンも、もういない。
 他の従者たちは今ではすっかり継母と異母妹にお追従ばかりで、彼女は鬱屈とした日々を過ごしていた。

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