ゴーストと呼ばれた地味な令嬢は逆行して悪女となって派手に返り咲く〜クロエは振り子を二度揺らす〜
18 話はどんどん歪んでいきました
「他に、お異母姉様のことで知りたいことは、ありますか?」
コートニーは合図するように、険しい表情で黙り込んでいるスコットの腕をぎゅっと掴む。そして上目遣いで長い睫毛をぱちくりと揺らしながら訊いた。
「っ……!」
スコットははっと我に返る。
そうだった、今日はクロエと話し合うために、パリステラ家に赴いたのだった。
この状況だと……もう答えは出ている気がするが、今後の両家の関係のためにも、念の為に確認しておいたほうが良いだろう。
「君はさっき、クロエは最近は昼過ぎまで寝ているって言っていたけど、夜に出かけているということなんだね?」と、彼は念を押すように義妹に尋ねた。
「はっきりとしたことはよく分かりませんが、なにやら夜中……たまに明け方まで、ごそごそと何かされているようですねぇ……」と、コートニーは困惑気味に答えた。
途端にスコットは渋面を作る。身体中が燃えるように熱くなって、どっと冷たい汗が吹き出た。
(……ま、本当は部屋で朝まで、無駄な魔法の特訓をしているだけだけど。嘘は言っていないわ。あたしは聞かれたことに答えているだけだからね)
彼女は動揺する義兄の様子を見て、してやったりと心の中でぺろりと舌を出す。
コートニーは合図するように、険しい表情で黙り込んでいるスコットの腕をぎゅっと掴む。そして上目遣いで長い睫毛をぱちくりと揺らしながら訊いた。
「っ……!」
スコットははっと我に返る。
そうだった、今日はクロエと話し合うために、パリステラ家に赴いたのだった。
この状況だと……もう答えは出ている気がするが、今後の両家の関係のためにも、念の為に確認しておいたほうが良いだろう。
「君はさっき、クロエは最近は昼過ぎまで寝ているって言っていたけど、夜に出かけているということなんだね?」と、彼は念を押すように義妹に尋ねた。
「はっきりとしたことはよく分かりませんが、なにやら夜中……たまに明け方まで、ごそごそと何かされているようですねぇ……」と、コートニーは困惑気味に答えた。
途端にスコットは渋面を作る。身体中が燃えるように熱くなって、どっと冷たい汗が吹き出た。
(……ま、本当は部屋で朝まで、無駄な魔法の特訓をしているだけだけど。嘘は言っていないわ。あたしは聞かれたことに答えているだけだからね)
彼女は動揺する義兄の様子を見て、してやったりと心の中でぺろりと舌を出す。