ゴーストと呼ばれた地味な令嬢は逆行して悪女となって派手に返り咲く〜クロエは振り子を二度揺らす〜
4 違和感は拭いきれませんでした
「うわぁ~っ! お異母姉様のお部屋、素敵!」
新しい家族との挨拶が終わって、クロエが自室に戻って刺繍をしていると、矢庭にどたどたと激しい足音が聞こえて来た。
なにごとかと顔を上げた折も折、ノックもなしに勢いよく彼女の部屋の扉が開いて、きらきらと子供のように瞳を輝かせた異母妹が踊るように入室してきたのだ。
「えっ、と……?」
クロエはコートニーに声を掛けようとするが、異母妹は異母姉の存在など歯牙にもかけずにうきうきと部屋中を見て回っていた。興味深げに調度品を眺めたり、更には勝手にクローゼットを開けたりしていた。
「………………」
クロエは青白い顔をして凍り付く。
他人の部屋を無断で探るなど彼女の常識では考えもみなかったので、混乱してどう対処すれば良いかすぐには判断できずにいたのだ。
新しい家族との挨拶が終わって、クロエが自室に戻って刺繍をしていると、矢庭にどたどたと激しい足音が聞こえて来た。
なにごとかと顔を上げた折も折、ノックもなしに勢いよく彼女の部屋の扉が開いて、きらきらと子供のように瞳を輝かせた異母妹が踊るように入室してきたのだ。
「えっ、と……?」
クロエはコートニーに声を掛けようとするが、異母妹は異母姉の存在など歯牙にもかけずにうきうきと部屋中を見て回っていた。興味深げに調度品を眺めたり、更には勝手にクローゼットを開けたりしていた。
「………………」
クロエは青白い顔をして凍り付く。
他人の部屋を無断で探るなど彼女の常識では考えもみなかったので、混乱してどう対処すれば良いかすぐには判断できずにいたのだ。