小児科医は癒やしの司書に愛を囁く

「……ああ、いえ。わかりました。では失礼します」

 そう言って、電話を切った。

 私はふらふらと立ち上がり、机にぶつかってしゃがみ込んだ。

「美鈴ちゃんどうしたの?大丈夫?」

 文恵さんが心配そうに私を見ている。つい、ごまかした。

「あ、大丈夫です。寝不足かな……」

「寝不足って……やだ、美鈴ちゃん。夜そんなに激しいの?」

 小声で私に詰め寄って聞いてきた。最初は何を言われているのかわからず、ポケッとして文恵さんの顔を見たら、背中を叩かれた。

「……もう。この間原田先生のこと病院で初めて見たけど、すごく格好いいわよね。美鈴ちゃんがうらやましいわ。うちの旦那とは月とすっぽん」

「……あ、ええ!?」

 言われていた意味にようやく気づいてびっくりした。
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