小児科医は癒やしの司書に愛を囁く
本当の恋人
「それで?結局仲直りしたわけね……?」
休み明けの火曜日。昼休みに文恵さんから呼び出され、事のいきさつを話すように言われた。
「まあ、そういうことです」
「……で?この際ハッキリ聞かせてもらうけど、あなたたちは一体どういう関係だったの?」
「以前はお互い片想いのまま、それぞれの問題を解決するため、下心もありつつ一緒にいました」
文恵さんはフォークをハンバーグの上で持ったまま固まった。
「下心もありつつって……」
「いつか本当の恋人同士になれたらいいなと思っていました。少なくとも私はそうです」
「美鈴ちゃん。素直になったわねえ……感慨深いわ」
私はサラダにフォークを突き刺しながら答えた。
「あれだけご迷惑おかけすれば正直にお話しすべきだと思いましたので……」
「そうね。もし、高村君にでも原田先生が美鈴ちゃんのことを尋ねていたらまずいことになったでしょうねえ」
それはないだろう。さすがに、彼も先輩には聞かないだろう。あれだけ最初からぶつかっていればそう思うだろう。