小児科医は癒やしの司書に愛を囁く
「それはないと思います。高村先輩と先生は一度会っていて、言い争いをしているので……先輩には聞かないと思います」
「そうなの?もしかして、先生には渡さない的な?」
私は下を向いた。
「やっぱりね。美鈴ちゃんのこと紹介してきたときからあまりに熱心で怪しいと館長は言っていたけど、入ってきてからもまー、後輩だという理由をつけては特別扱い。高村君の気持ちに気づいてないのは数人しかいないと思う」
「……すみません」
「なんで、美鈴ちゃんが謝るのよ!まあ、要するに高村君の元気が最近なかったのは美鈴ちゃんを先生に取られたからというか、もしかして彼のことフッたの?」
「先生のところではなく、先輩のところに引っ越してこいというからお断りをしたんです」
「なるほどね。私の知らぬ間に色々あったわけだ。教えて欲しかったなー」
「すみません」
「それで?原田先生とは結局両思いになったのね?」