小児科医は癒やしの司書に愛を囁く

 二ヶ月後。

 図書館で高村先輩が新人の女性司書を指導しているのを見た。

 そして最近、文恵さんのご主人が転勤となった。ご実家の九州に近いので思いきって家族皆でついて行く事になったと言われた。文恵さんはここを辞めて新天地で司書職を探すらしい。

 私はめちゃくちゃ寂しい。でもしょうがない。館長は急いで新しい大卒の司書を雇ったらしい。

 高村先輩とその新人さんはとてもいい感じ。一ヶ月くらいになるが、ちょっと怪しいほど距離感が近い。これはどう考えてもそういうことかもしれないと最近鈍い私でも気づいた。

「文恵さん」

「なに?」

「高村先輩と鈴木さんってもしや……」

「あー、そうね。美鈴ちゃんが入ったときと同じ状態だね。つまり、彼女が好きなんじゃないの?美鈴ちゃんの時と違うのは鈴木さんも彼が好きだということでしょうねー」

「ちょっと、文恵さん……」
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