小児科医は癒やしの司書に愛を囁く
「……なるほど。それはいい考えだね。この地域にもまだそういう病院あるし、絶対あの病院だけ行っていると聞いて頼みたいと思っている病院はあるはずだよ。実は館長からそういう相談が来ていることも聞いているんだ」
「本当ですか?それなら、館長に話して相談してみます」
「美鈴ちゃん。前は引っ込み思案だったのに、大分変わったね。他の病院にも行きたいなんて社交的になった」
「私が司書になった理由お話ししてなかったですよね」
「ん?」
「小さいとき幼い弟がいたんです。亡くなったんですけど、その病院でいつも私は絵本を読んで親を待っていました。だから、本が好きになったし、病院訪問が出来たときのうれしさは説明出来ないほどだったんです」
「……そうだったんだね。それなら、なおさらだよ。私も行く前できるだけ協力する。一緒に館長を動かそう」
「ありがとうございます。ここに文恵さんいなくなったら、ひとりで高村先輩達のイチャイチャを見続ける羽目になりそうです。外出が多い仕事のほうが絶対助かります」
「……うははー。それは言える。私も逆の立場で残されたらきついわ」
「でしょ?」