小児科医は癒やしの司書に愛を囁く

 二人で笑っていたら、高村先輩が来た。

「なに笑ってんですか。お静かに……」

「高村君こそ、新人さんとイチャイチャはお控え下さい」

 真っ赤になった高村先輩が文恵さんに振り返った。

「な、なに言ってんですか!」

「……いや、確かにその通りだな。高村君、担当変えるぞ」

 後ろから睨んでいる館長を見つけた。高村先輩は息をのんだ。

「少なくともあまりにも目に余るようなら、指導員は平田さんに変更する。いいな?」

「……すみません」

 高村先輩は頭を下げた。自覚あるんじゃないの……先輩にも困ったものだ。

 文恵さんは館長に話しかけた。
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