小児科医は癒やしの司書に愛を囁く
「館長、少しお時間頂けますか?病院訪問の件です」
「ああ」
「美鈴ちゃんついてきて……」
三人で打ち合わせ室へ入った。文恵さんが館長に話し出した。
「実は平田さんに話したところ、宝田小児医療病院はもう一度平田さんに行ってもらうことになりました」
館長がこちらを見た。
「まあ、今の状態じゃ君以外頼めなさそうだ。例の問題も解決したようだから、また頼めるかな?」
「はい、喜んで行かせて頂きます」
「それと館長。以前、他の病院からも訪問を打診されているとお話しありましたよね」
「ああ。住田病院からも頼まれている。隣町だが、宝田先生と住田先生は友人らしい。話を聞いていたらしく、是非うちもお願いしたいと直接住田院長から電話ももらっているんだ」
弘樹先生のお父さんだ。私がそこへ行って大丈夫だろうか?でも私の問題より、子供達や病児家族のためになるならやるべきだ。