小児科医は癒やしの司書に愛を囁く

「ひえー、これは大変だ。わかったよ、余計なことは話しませんから安心してよ。いやあ、俄然楽しみになってきた」

「おい!」

 振り向いたら弟は頭を抑えて内科ブースへ逃げていった。

「早苗さん」

「はい?」

「昔の住田小児医院の頃のカルテはまだありますか?」

「ええ、もちろん。そうそう、院長もおっしゃっていたとおり昔のはまだパソコンに入っていないのもありますので、言って下されば探してきますよ」

「それはどこに?」

「男子ロッカーの横の小さな部屋です。鍵はあとでお渡ししますね」

「ありがとう」
< 180 / 226 >

この作品をシェア

pagetop