小児科医は癒やしの司書に愛を囁く

 俺は診療が終わった後、そのカルテで平田さんの所を探した。

 あった。平田仁史君。四歳だった。

 連絡先もあったが、今もここで連絡がつくかわからない。一応控えておく。

 墓地の場所まで書いてある。父はお墓にも行っていたんだとわかった。

「あー、疲れた」

 宝田小児医療病院に戻り、座っていたら檜山が後ろから入ってきた。

「ああ、帰ってきたのか。お疲れさん。そうは言うが、お前のせいでこっちもえらい大変なんだぞ。どうしてくれる……疲れてんのはこっちだ」

 檜山は最近ナースと付き合いはじめたと聞いている。なんだか元気そうに見えるんだけれど、幸せのせいかな?

「檜山お前、幸せそうだな。疲れているようには見えないぞ」

 檜山は驚いた顔をして俺を見た後、恥ずかしそうに頭をかいた。

「やめてくれよ。同じ病院だけはだからいやだったんだ。すでに半分後悔している」

「何言ってんだよ。今更そんなひどいことよく言えるよな。あれだけの美女相当探さないといないだろ」
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