小児科医は癒やしの司書に愛を囁く

「お前こそ、美鈴ちゃんとよろしくやってるくせに、俺に何か言える立場だと思っているのか?」

「ああ、そのことだが美鈴がまた来月からこの病院に訪問で来ることになった。文恵さんは転勤の旦那さんについていくのでやめられるそうなんだ」

「そうか。子供達には文恵さんも人気だが、やはり俺らには美鈴ちゃんの愛らしい微笑みに勝るものはない。それに小さい子には幼稚園の若い可愛い先生というのは大人気だろ。それと一緒だ」

 なんなんだその言い方。美鈴は俺のものだ。イライラする。

「……」

「おーい?なに怒ってんだよ。お前、ちょっとそんなことじゃ、普段大丈夫なのか?いちいち気にしてたら図書館なんて美鈴ちゃん目当ての人が大勢通ってるに違いないぞ」

「……そういえば、そうかもしれない……」

「そうに決まってるだろ?大体、図書館にもライバルがいたとか言ってただろう。お前、案外うかつなんだな。ストーカーが現れるくらいの彼女だぞ」

「……やめろよ、心配で仕事が手につかなくなる……」
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