小児科医は癒やしの司書に愛を囁く

「アハハ……そうだ、原田」

「なんだ」

「お前、移植の専門医を目指すと言っていたのはまだその気があるのか?今の忙しさだと資格を取るための時間もないだろ」

「気持ちはある。いずれ出来るようにしたいと思っている」

「……いやはや。また、お前のいない間を埋めるのが俺の仕事になりそうだな。おい、しばらく昼ぐらいおごれよ」

「何だそれ?意味わからん」

 そうだ、隆君のこともあり、俺はそのことも考えていた。

 以前から頭にあったが、今日仁史君のカルテを見てきて、またやはりチャレンジしようという気持ちが固まった。

 いずれにしても、今の勤務状況や、美鈴との関係をハッキリさせてからだ。

 その日。美鈴は午後どうだったろうと心配して、いつもよりは急いで家に帰った。すると、美味しそうな匂いがする。

「おかえりなさい」
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