小児科医は癒やしの司書に愛を囁く
手作りの結婚式
五月十日、私の二十八歳の誕生日。
彼は私に素敵な海の見えるレストランでプロポーズをしてくれた。
デートでいつか海を見に行きたいと言っていたのだ。その日は暑いくらいの初夏の陽気で、海がキラキラと光って見えた。忙しいのに、指輪も選んでくれていた。とても大きな石が輝いていて、びっくりした。
私は、彼に新しい腕時計を買ってあった。それはそれで喜んでくれた。でも、彼はこう言った。
「プレゼントは俺が選ぶと言っただろ。プレゼントは美鈴がいい。返品不可。プレゼントはもらった時からずっと俺のものになる。一生だぞ」
そう言って、私をラッピングすると言って、素敵なブティックに連れて行き、上から下までびっくりするような値段の服に着替えさせると、鼻歌を歌いながら上機嫌で家へ戻った。
そして、自分でラッピングをほどくといって、順々に包装紙を開いていくようにワンピースのチャックを下ろした。キスをしながらすべて脱がされお風呂に二人で入った。
彼に散々愛されたあと、ベッドの中で彼が私を腕の中閉じ込めて、目を見ながら話した。
「美鈴」
「なに?」
「俺達の結婚式は宝田小児医療病院のキッズルームで簡単にやらないか?」