小児科医は癒やしの司書に愛を囁く

 「君は俺が真剣に医師になっているところを見たことがないんだな」

 「そんなことないですよ。一度、ほら、みかげちゃんが具合悪くなったときに先生が入ってきて応急処置されてるの見たときは驚きました」

 「ああ、そんなことあったね。もう大分前だ」

 「そうですよ。あのとき弘樹先生格好よかった」

 「いつも格好いいぞ。よく見ろよ」

 「ふふふ。そうですか?あらいぐまとたぬきを間違えて子供に馬鹿にされて口をとがらせている先生は格好いいとはお世辞にも言えませんよ」

 「……そういう美鈴ちゃんはいつも天使みたいだな」

 「え?て、天使?なんですか、それ?」

 「エンジェルだよ。なんて言うか、子供達を穏やかな顔にさせてくれる天使。俺たちもその天使の恩恵にあずかれて光栄だ。さすが癒やしの美鈴」
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