小児科医は癒やしの司書に愛を囁く

 「じゃあ、いいよね?とりあえず、柊さんの問題もあるし、僕が相手だというのが一番効果的だ。柊さんも相手が僕なら諦めるだろうしね」

 「それって、とりあえず偽装するってことですか?」

 「偽装?」

 「え?だから恋人のフリをするってことですよね?先生はとりあえずそのお嬢さんを遠ざけるため、私は柊さんを遠ざけるためってことでしょ?問題が解決すれば私は出て行けばいいんですし……」

 「どうだろう?君とすぐに別れたとばれてあのお嬢さんが騒ぎ出すんじゃないかと思うんだけど。彼女に別な人を院長が探すか、彼女が探してきてくれればそれが一番だ。それまでは君に付き合って欲しいんだ」

 それって、いつになるの?

 「……あの。それっていつになるんでしょう?いつまで?」

 「いつまで?それはわからないなあ。でも、僕は君となら大丈夫だと思うんだ。とりあえず、最初は恋人のフリからやってみない?今後は後で考えればいい」

 「な、何言ってるんですか?先生……本気なの?」
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