小児科医は癒やしの司書に愛を囁く

 「直接話してもわかってもらえない可能性もあるから、君と結婚前提で同棲を始めたということを院長に話して周りからわからせよう」

 「えええ!」

 「まあ、その辺は僕に任せておいて。それと読み聞かせだが、しばらく病院は来ない方がいい。おそらく図書館で担当替えになるだろ?落ち着くまでにしてもらえ。そうしたらまた来られるようになる。君はとにかく身を守るようにして。何かあったらすぐに電話して」

 翌日。
 バスで初めて行ったが、ほぼ歩く事がなくて楽だった。マンションの斜め前が停留所。本当に便利なマンション。
 人もいるのでバス停周辺で何かするとは思えない。
 
 図書館へ行くと、一番の相談相手である文恵さんに声をかけた。既婚者で一児のママ。私にとっては姉のような存在だ。

 「おはようございます」

 「おはよう。お昼でいい?」

 「ええ。すみません」

 メールで相談したいことがあると昨日のうちに連絡しておいたのだ。
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