小児科医は癒やしの司書に愛を囁く
「先週、帰り際に外で声かけられてた眼鏡の男の人でしょ。美鈴ちゃん、迷惑そうにしてたし、図書館で見かけている人ではないし、聞いてみようと思ってたんだけど、うっかり忘れてたよ」
「そうです」
「その様子だと家の付近にも現れた?」
うなずいた。文恵さんは大きくため息。
「実はね、美鈴ちゃんが入る前にいた女の子も図書館に通う男の人にストーキングされてやめてるの」
「え?」
「図書館って時間つぶしに来てる人もいれば、色々だけど、たまにそういう人がいる。でね、前そういうことがあったんで、館長も色々大変だったみたいだけど……」
「そうだったんですね。私の場合はちょっと違いますけどね」
「まあね。でもまさかアパートに普通に住んでる?危ないよ」
「実は、助けてくれた病院の先生が部屋を貸してくれて……」