小児科医は癒やしの司書に愛を囁く

 「まず、院長に私と付き合って同棲するということを報告して、柊さんに話してみるそうです。私にはしばらくの間だけ病院に来ない方がいいだろうと」

 「なるほど。そうか……少し様子を見た方がいいけど、来週の水曜日は二人で行こうか」

 「ええ?!」

 「一応、顔を売るためにね。万が一、美鈴ちゃんが行けなくなったときのピンチヒッターで行っても、子供達は知らない人が来ると構えるでしょ。だから、最初は美鈴ちゃんに紹介してもらっておけば何とかなるからさ。それ以降はしばらく私ひとりで行くようにしようかな。今日帰り館長にそのことも話した方がいい。ひとりで大丈夫?」

 文恵さんはお子さんのお迎えがあるから残業は基本しない。

 「はい。そうします」

 「あと、その先生の家どこなの?」

 「病院からすぐのマンションで、ここには今日からバスで来てます。停留所からもすぐなんです」

 「なるほど。高村君にも言って、帰りはバスが来るまで一緒にいてもらいなよ」

 「わかりました。でも時間を見て出るので大丈夫だと思うんですけど……他に人もいるから」

 「男の人に助けてもらう方がいいからさ。何事も念のためだよ」
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