小児科医は癒やしの司書に愛を囁く
相談して出たらもう皆いなかった。館長もバスを使っているので一緒に出て、方向の違うバスで帰って行った。
弘樹先生は、今日は日勤。何もなければ夜戻ると言っていた。買い物とかもするなと言われていたので、とにかくバスを降りて真っ直ぐ部屋へ帰ってきた。
「ただいま戻りました」
ドアを開けると照明が付いた。まだ、先生は帰っていないみたい。
急いで部屋へ戻り、着替えるとキッチンへ入る。あまり使っていないのだろう。きれいだ。
冷蔵庫の中を見ると、飲み物やつまみ以外、私が自分の家から持ってきたものがほとんどだった。
確かに冷凍庫には電子レンジで温めれば食べられるものが結構そろってる。
戸棚を見ると、一応調味料はそろってる。料理をしてくれる人がいたのか、作ったことがあるのか、スープのブイヨンなどもある。賞味期限も切れてない。メニューを考える。
「さて、やるか」
エプロンをして、家から持ってきた食材で料理をはじめた。
調理器具や調味料が一部足らないけど、まあ、適当にあるものでやるしかない。
足りない物を頭の中でメモして、作っていく。