小児科医は癒やしの司書に愛を囁く

 「目を見て、十数えて。はいやってみて」

 「1,2,3,4,5,……」

 「もっとゆっくり。早すぎる」

 「6,7、8,9……」

 最後の10を言った瞬間、すっと先生の顔が近づいて、そのまま唇に暖かいものがチュッと触れた。

 「……え?」

 びっくりして先生の身体を押すがびくともしない。

 「よくできました。ご褒美」

 キス?キスした……ど、どうしよう。

 「ん?どうした?」

 「キス。しましたよね?」

 「したよ。恋人だもん」

 私は唇を指先で押さえて、呟いた。
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