小児科医は癒やしの司書に愛を囁く

恋人の練習

 
 今日は夜勤明けの弘樹先生が昼前に交代で帰ってくる。今日はそのあとおやすみだと言っていた。

 私は通常出勤。

 昼休み、病院へ持って行くために、折り紙でいろいろな動物を折っていたら高村先輩が休憩室へ入ってきた。

「平田。文恵さんから聞いたけど、大変だったんだな。もっと早く相談しろよ、馬鹿だな」

「高村先輩。すみません。一応解決させるべく昨日話し合ってきました」

「それで?やめろと言われてやめないのがストーカーだろ?エスカレートする人もいるじゃないか」

「うー。そうですね。でもお子さんを病院に入れているし、院長も知ったので、先生との関係も悪くなると困ると思うんです」

「まあ、理性が働いている人は最初からそういうことはしないね。最初から頭のネジが少し取れてるんだろ?」

「高村先輩。怖いことばっかり言わないで……」

「お前、男と住んでるとか聞いたぞ。どういうことだよ?」
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