会ったことのない元旦那様。「離縁する。新しい妻を連れて帰るまでに屋敷から出て行け」と言われましても、私達はすでに離縁済みですよ。それに、出て行くのはあなたの方です。

いや、愚かすぎでしょう?

「へー、田舎娘か。田舎臭いが、パッと見た感じはなかなかのものじゃないか」

 初めて会ったバートの第一声がそれだった。

 いまのは、皮肉? あるいは、嫌味?

「それはどうも」

 どうでもいいけれど、とりあえずそう応じた。

 これからどうするかを考えつつ。
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