会ったことのない元旦那様。「離縁する。新しい妻を連れて帰るまでに屋敷から出て行け」と言われましても、私達はすでに離縁済みですよ。それに、出て行くのはあなたの方です。
 いずれにせよ、ここにいる人たちは、一様にバートに対していい感情は持ってはいない。

 なぜなら、病で床に伏している両親の様子を見に戻ってきたことはなく、様子をうかがう手紙すらよこさず、それどころか死に水をとっていないし、さらには葬儀にさえこなかった。

 それだけではない。彼は王都でただ贅沢三昧をしていただけで、カニンガム公爵家子息としての義務をまったく果たしていない。

 訂正。彼がやったことは、贅を尽くしただけではない。レディと遊びまくっていたわ。

 いずれにせよ、その挙句がこれである。
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