会ったことのない元旦那様。「離縁する。新しい妻を連れて帰るまでに屋敷から出て行け」と言われましても、私達はすでに離縁済みですよ。それに、出て行くのはあなたの方です。
「ならば料理は任せて下さい。二人で最高の料理を作ります」
「よろしくお願いします」

 料理人に頭を下げ、厨房を出て行こうとしてふと思いついた。

「あの、わたし、かわったことないかしら? というか、どこかかわったかしら?」

 みんなに尋ねると、男性である料理人や雑用係たちは「太りましたか?」と、いわれのない誹謗中傷を投げかけてきた。しかし、メイドたちはニヤニヤ笑って「えー、そこはわからないふりをするところですよね」と口々に答えた。

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