シュガーファンタジー
噂の転校生くん
今は昼休み。あたしは図書室に本を返しに行くところ。英美を誘おうと思ったけど男子たちと騒いでたから今日は1人で行くことにした。
男勝りな正確をしている英美はあたしと違って男子にも遠慮なく話しかけることができるからちょっとうらやましい。
正直あたしはあの輪の中に割り込んでいけるほどの勇気はないな。
ぼんやりと考えながら歩いていると、いつのまにか図書室の前についていた。ぼんやりしていたせいか、扉にぶつかりそうになってしまった。もっと気をつけないと。
図書室に入ると、図書委員はまだ来ていなかった。
日が当たらないため電気をつけないと暗い図書室に足を踏み入れる。
基本図書室にはいつも鍵がかかっていない。
薄暗い図書室にはまだ誰もいなくて、ちょっぴりアンニュイな雰囲気が漂っている。
あたしは図書委員じゃないけど、勝手に入ったり、電気をつけたりしてもいいのかな。
入学してからもう2ヶ月くらい経ってるけど、学校に慣れるのに必死で学校のルールとかはあんまり知らないんだよね。
まぁいいか。
電気をつけると、さっきまでの不思議な雰囲気はなくなった。
そして、部屋が明るくなった途端。
「どうも。」
「?!」
部屋の中から声が聞こえた。
突然だったから心臓が飛び出るかと思ったよ。
「どうも。」
とりあえず返事をしてみる。
部屋の中にぐっと目を凝らしてみるけど、どこにも人らしきものは見当たらない。
「図書委員の人?」
「違いますけど、、、」
入り口に立ったまま返事をする。
「入らないの?」
「いいんですか?」
「何で僕にきくの?いいに決まってるのに。」
「ありがとうございます。」
「あはは、なんか面白いねきみ。」
「…。」
いきなりそんなことを言われて返答に困る。
もしかしたらなんか変な人なのかもしれない。
恐る恐る足をすすめる。
「電気もつけずに何やってるんですか。」
「あはは、別にドロボーじゃないから安心してよ。勝手に電気もつけていいかどうかわかんなかっただけだから。転校してきたばっかでこの学校のことあんまよくわかってないんだよね。」
「それは大変ですね。でも多分すぐ慣れると思うので大丈夫ですよ。何年生ですか?」
「1年。」
そういえば今日転校生が来たんだった。
「1年?ということは1組ですか?」
「うん。何で知ってるの?」
「そりゃあ知ってますよ。噂の転校生ですから。私も1年ですし。じゃあ、あなたがシティーボーイの高田くんなんですね。」
「ぶはっ、シティーボーイって。」
「こんな田舎に都会から転校生がくるなんて珍しいので。」
「っていうかさぁ、タメなんだから敬語やめない?」
「はい。」
「はいっていうのも敬語だよ?」
「うん。」
「ねぇ、名前なんていうの。」
そういえば自己紹介してなかったな。
「あたし藤堂恵凛叶。よろしくね高田。」
「よろしく。あと一応いっとくけど僕高田じゃなくて高橋。」
「えっ?!」
意外なところを指摘されて思わず間抜けな声が出てしまった。
「噂では高田だったけど。」
「残念。ホントは高橋でしたー」
「正直どっちでもいいんだけど、転校初日なのに教室で友達作りしなくていいの?」
「話しかけてくれる人はいっぱいいたよ。友達ももう出来たし。」
「早いね。あたしなんて入学式で誰か話しかけてくれないかなーって、それはもうナンパ待ちのアラサーのごとく待ったけどあんまり話しかけてもらえなかったよ。」
「ふーん、かわいそうだね。」
「っていうかさぁ、あんたいつまで隠れてるわけ?はたからみたらあたし壁に話しかけてるヤバい奴なんだけど。」
「あぁ、ごめんごめん。」
1番奥の棚から男子が顔をだした。
「本の物色に夢中になってたから忘れてた。せっかく可愛い女の子と喋ってるのに顔向けもしない礼義知らずでゴメンねー。」
正直結構びっくりした。
ふわふわの天パに猫目。身長は多分あたしと同じくらいで、全体的に気だるい雰囲気が漂っている。
「なんていうか、想像と違うね。」
「どんな奴想像してたわけ?」
「声が少年っぽかったからもっと爽やか系かと。」
「ぼくだって爽やかじゃん。」
「うーん、顔は悪くないけど思ったよりチビ。」
「ひどっ」
「僕は君は声的にもうちょっとカワイイ天然系かと思ってたけど案外普通でがっかりしたよ。」
「なにそれ仕返しのつもり?」
「うん。つもり。」
なんか変な人だけど話しやすいな。
「さてと、噂の転校生君にも会えた事だし、帰りますか。」
「え〜。もうちょい喋ろうよ。」
「もうすぐ図書委員来るし。あんたも本借りたいんでしょ。」
「そうだった。またね、恵凛。」
「はいはい。」
教室への道を歩きながら、なんだか今日はちょっとだけ楽しかったなと思った日でした…。
男勝りな正確をしている英美はあたしと違って男子にも遠慮なく話しかけることができるからちょっとうらやましい。
正直あたしはあの輪の中に割り込んでいけるほどの勇気はないな。
ぼんやりと考えながら歩いていると、いつのまにか図書室の前についていた。ぼんやりしていたせいか、扉にぶつかりそうになってしまった。もっと気をつけないと。
図書室に入ると、図書委員はまだ来ていなかった。
日が当たらないため電気をつけないと暗い図書室に足を踏み入れる。
基本図書室にはいつも鍵がかかっていない。
薄暗い図書室にはまだ誰もいなくて、ちょっぴりアンニュイな雰囲気が漂っている。
あたしは図書委員じゃないけど、勝手に入ったり、電気をつけたりしてもいいのかな。
入学してからもう2ヶ月くらい経ってるけど、学校に慣れるのに必死で学校のルールとかはあんまり知らないんだよね。
まぁいいか。
電気をつけると、さっきまでの不思議な雰囲気はなくなった。
そして、部屋が明るくなった途端。
「どうも。」
「?!」
部屋の中から声が聞こえた。
突然だったから心臓が飛び出るかと思ったよ。
「どうも。」
とりあえず返事をしてみる。
部屋の中にぐっと目を凝らしてみるけど、どこにも人らしきものは見当たらない。
「図書委員の人?」
「違いますけど、、、」
入り口に立ったまま返事をする。
「入らないの?」
「いいんですか?」
「何で僕にきくの?いいに決まってるのに。」
「ありがとうございます。」
「あはは、なんか面白いねきみ。」
「…。」
いきなりそんなことを言われて返答に困る。
もしかしたらなんか変な人なのかもしれない。
恐る恐る足をすすめる。
「電気もつけずに何やってるんですか。」
「あはは、別にドロボーじゃないから安心してよ。勝手に電気もつけていいかどうかわかんなかっただけだから。転校してきたばっかでこの学校のことあんまよくわかってないんだよね。」
「それは大変ですね。でも多分すぐ慣れると思うので大丈夫ですよ。何年生ですか?」
「1年。」
そういえば今日転校生が来たんだった。
「1年?ということは1組ですか?」
「うん。何で知ってるの?」
「そりゃあ知ってますよ。噂の転校生ですから。私も1年ですし。じゃあ、あなたがシティーボーイの高田くんなんですね。」
「ぶはっ、シティーボーイって。」
「こんな田舎に都会から転校生がくるなんて珍しいので。」
「っていうかさぁ、タメなんだから敬語やめない?」
「はい。」
「はいっていうのも敬語だよ?」
「うん。」
「ねぇ、名前なんていうの。」
そういえば自己紹介してなかったな。
「あたし藤堂恵凛叶。よろしくね高田。」
「よろしく。あと一応いっとくけど僕高田じゃなくて高橋。」
「えっ?!」
意外なところを指摘されて思わず間抜けな声が出てしまった。
「噂では高田だったけど。」
「残念。ホントは高橋でしたー」
「正直どっちでもいいんだけど、転校初日なのに教室で友達作りしなくていいの?」
「話しかけてくれる人はいっぱいいたよ。友達ももう出来たし。」
「早いね。あたしなんて入学式で誰か話しかけてくれないかなーって、それはもうナンパ待ちのアラサーのごとく待ったけどあんまり話しかけてもらえなかったよ。」
「ふーん、かわいそうだね。」
「っていうかさぁ、あんたいつまで隠れてるわけ?はたからみたらあたし壁に話しかけてるヤバい奴なんだけど。」
「あぁ、ごめんごめん。」
1番奥の棚から男子が顔をだした。
「本の物色に夢中になってたから忘れてた。せっかく可愛い女の子と喋ってるのに顔向けもしない礼義知らずでゴメンねー。」
正直結構びっくりした。
ふわふわの天パに猫目。身長は多分あたしと同じくらいで、全体的に気だるい雰囲気が漂っている。
「なんていうか、想像と違うね。」
「どんな奴想像してたわけ?」
「声が少年っぽかったからもっと爽やか系かと。」
「ぼくだって爽やかじゃん。」
「うーん、顔は悪くないけど思ったよりチビ。」
「ひどっ」
「僕は君は声的にもうちょっとカワイイ天然系かと思ってたけど案外普通でがっかりしたよ。」
「なにそれ仕返しのつもり?」
「うん。つもり。」
なんか変な人だけど話しやすいな。
「さてと、噂の転校生君にも会えた事だし、帰りますか。」
「え〜。もうちょい喋ろうよ。」
「もうすぐ図書委員来るし。あんたも本借りたいんでしょ。」
「そうだった。またね、恵凛。」
「はいはい。」
教室への道を歩きながら、なんだか今日はちょっとだけ楽しかったなと思った日でした…。