ただいま私ヴァンパイア、天才Princeから溺愛され中。

その翌日、廉翔くんは学校に来なかった。
「まぁ、自業自得だよね。自分から勝負挑んできて、負けたから、私ダサって思った。」
紗奈がそう言った。
「まあ……あはは……」
「雫、おはよ」
燈くんがやってきた。
「あいつ不登校になったらしい。」
「え？廉翔くんが？」
「ああ。転校してきたばかりなのにな。」

私はなんとも言えない気持ちになってしまった。
すると、教室のドアが開き、先生がやってきた。
「授業するぞ〜」
あわてて席に戻る。


それにしても…

本当に廉翔くんってあんな人だっけ？

私が、廉翔くんのことを考察していると、あっという間に放課後になってしまった。

「雫」
「どうしたの？燈くん」
「授業聞いてた？」
「え？！えーと…」
「顔に出てる。」
「ふえ？！」
思わず変な声が出てきてしまう。
はあ……燈くんにバレっちゃったら誤魔化す策もない……
「雫」
「え？！ど、どどうしたの？」
「あいつの事じゃなくて、僕の事だけを考えてよ。」
「え？」
「僕は常に雫のことを考えてるよ？」
「え？え？えーと…」
私が言い終わる前に、燈くんが私を近づけてきて。
私は目を閉じた。
おでこにくすぐったい何かが当たる。
あれ…？この感じ、前にもあったような…
そっと目を開けると、燈くんが私のおでこにデコチューしていた。
「……！」
「はぁ…食べちゃいたいくらい可愛い…」
「え？！」
「燈くん…どうしたの？」
「雫、俺のそばにいて…」
「どうしたの？」
「どうしたって？普通だけど？」
本当におかしい。こんな燈くん見た事がない。
もしかして…
二重人格？