ただいま私ヴァンパイア、天才Princeから溺愛され中。
「私、ちょっとトイレに行ってくるね」
「分かった」
そう言って、私は、お店を出て、一番近いトイレへ向かった。

トイレを済ませて、外へ出て、お店に向かおうとすると、後ろから肩を叩かれた。
誰だろうと思い、振り向くと、私より十センチ位身長が高い男性が二人立っていた。
「ね〜ね、一緒にお茶しない?」
「ごめんなさい……向こうに彼氏がいるんで……」
「彼氏にバレなければいいじゃん!」
「行こうよ」
そう言って、私の手首を掴んできた。
鳥肌が止まらない。
「や、やめてください……!」
そう言って手を振り払おうとするも、力が強くて振り払えない。
どうしよう……このままだと本当に連れて行かれそう……
ここは全然人がいない所だし……
燈くん……!

「何してんだよ。てめぇ」
振り向くと燈くんが男性二人を睨んでいて。
「あー君がこの子が言ってた彼氏さんか。この子は今から俺たちとお茶するんで。じゃ」

私の手を引いて、連れて行かれそうな瞬間、肩が引かれて、その勢いで手が離れる。
そんな倒れる私を誰かが抱きとめてくれる。
「燈くん……」
「お前……どうなるかわかるか?!」
そう言って一人が燈くんにかばんを投げた。
すると、燈くんがかばんをガシッとつかみ、相手へ投げた。
「グアッ……」
「お、覚えてろよ!」
そう言ってどこかへ行ってしまった。
「はあ…お前って目を離した隙に男に捕まるよな。」
「ごめんなさい……」
「これからはボディガードみたいにきっちり守った方がいい?」
「え?」
「なんてね」
「戻るか」
「うん!」
そう言って、燈くんと一緒にアフタヌーンティーの続きを食べた。
「はー!美味しかったー!」
「本当に美味しかったな。あれ」
「で、これからどこ行く?」
「実はな、映画を予約しといたんだ。」
「え?!」
「前見たいって言ってたろ?これ。」
そう言って燈くんがスマホを見せた。
まさに私が見たかった映画だった。
「行くか。」
「うん!」
すっごく楽しみ……!

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