君と夢に跳ぶ恋
教室や廊下は人の声で賑わっているのに、図書室の周りだけひっそりと静まり返っていて。

扉を開けると、本の香りが鼻をかすめる。

ここでは皆、本を読んだり、勉強したりと、それぞれ思い思いに過ごしている。

ガヤガヤとした教室の雰囲気が苦手な私にとっては、学校で唯一落ち着ける場所。

遠いから昼休みしか来れないけど。

図書委員とかもやってみたいけど、放課後集まりとかあるし、お父さんが許してくれないだろうな。

ちらっと時計を見ると、もうすぐ昼休みが終わりそう。

ふぅ、っと息を吐き、教科書を閉じる。

戻らなきゃ。
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